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農薬とアレルギー

農薬は、野菜や果物などの農作物が病害虫などの被害を受けないように、農作物を保護する目的で使われる薬剤の総称です。
農薬は農作物を栽培する土壌の消毒、病害虫の予防、雑草の除去など、さまざまな用途で使われています。

農作物の栽培において農薬の使用が広まったのは戦後のことです。それ以前の農薬を使用しない農業は、雑草取りなどに非常に手間がかかり、せっかく手間をかけて育てた野菜が害虫や病気の被害を受けてだめになったりと、農業従事者は大変な苦労をしていました。

その大変だった農業は、戦後の農薬使用の広まりによって大きく変化しました。雑草取りなどの農業従事者の負担が減った上に、害虫や病気による農作物の被害も大幅に減少したため、安定して大量の野菜を収穫することができるようになりました。
当初、農薬の使用はいいことづくめのように思われました。

しかし、その後、徐々に農薬の負の側面が明らかになってきました。
まず、農薬の悪影響が現れたのは、日常、農薬を使用し農薬に触れる機会の多い農業従事者でした。農薬に含まれる毒性を持つ化学物質により、皮膚炎や結膜炎、喘息などの健康被害が現れるようになりました。

農薬は野菜や果物などの農作物、そして農作物を栽培する土壌に蓄積していき、これらの農作物を食べる人間にも悪影響を及ぼします。

現代人には、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症、食物アレルギーなど、さまざまなアレルギー症状を訴える人が増加しています。
アレルギーの原因は、医学的に解明されていないことも多く、その原因のすべてを農薬に結びつけるのは短絡的でしょう。

しかし、戦前、農業に農薬が使われていなかった時代には、現代に見られるようなアレルギー患者はほとんどいませんでした。また、アレルギー体質の患者さんが、有機野菜や無農薬野菜を食べるよう食生活を改めた結果、アレルギー症状が改善したというケースは多数報告されています。

近年、消費者の食品の安全性に対する意識が高まり、有機野菜、無農薬野菜が脚光を浴びるようになった背景にはこのような事実があるのです。